建築業界ニュース

 

 全国建設労働組合総連合は、住宅用建材の安定供給を求める要請書を3月23日付で国土交通省に出した。

全建総連によると、震災直後から建設資材が入手しにくくなっており、価格も高騰するなど、進行中の工事にもかなりの影響が出ているという。

要請書では、被災地優先は大前提としながら、不当な建設資材の便乗値上げなどに対する監視・指導の強化を求めた。

また、住宅用建材が入手できずに工期が遅れた場合の対策として、小規模事業者への利子補給や一般施主への低利融資などの支援策も要請した。

 

 

住宅資材の生産・物流が回復傾向にあるが、多くの部品を組み合わせて製造する設備機器のなかには部品・素材メーカーが被災したことで供給が不安視されているものも少なくない。そのひとつがエコキュートだ。

エコキュートについては、その機能部品の生産を手掛け、特に減圧弁逃し弁で80~90%のシェアをもつダンレイの福島工場(福島県双葉郡楢葉町)が被災して生産が停止。さらに福島第一原発から半径20km圏内にあるため、同工場については生産再開のめどが立っていない。また、同社に部品を納めているパーツメーカーも被災、パーツ調達にも苦慮している状況だ。

このためエコキュートメーカーでは弁の在庫を集めるなどの対応を図っている。メーカーによってダンレイの機能部品の採用率には凹凸があるが、採用自体はほぼ全社が行っているという。

ダンレイでは本社のある茅ヶ崎工場で生産増強を図っており、パーツについても手当てを進めているが、計画停電の影響も大きく、供給が正常化に向かうのは5月の連休明けになるとの見通しを示している。

エコキュートメーカーへのヒアリングでも、こうした背景から「エコキュートの供給は5月~6月に入らないと落ち着かないとみている」といった声が出ている。

 

 

 住生活グループは、岩手県内にあるトステム一関工場の一部で3月23日から操業を再開したことを発表した。

なお、トステム下妻工場、旭トステム外装鹿島工場は操業を停止している。